うつ病の相談・治療
うつ病になると夜眠れない、食欲がわかない、疲れやすい、といった体の症状や、好きなことが楽しめない、気分が落ち込む、不安でソワソワするなどこころの症状がみられます。
はっきりとした原因は分かっていませんが、脳内の神経伝達物質の異常ではないかという説があります。
職場や家庭の環境の変化によるストレスや、身体的な病気をするなどのライフイベントの後に症状が出現することが多いです。
日本では100人のうち6人はうつ病にかかるという調査結果もあり、比較的身近な病気であります。
休養と薬物療法で治療が可能ですが、治療導入までに時間がかかると治療期間が長引いたり、切迫した自殺念慮などの重度なうつ病となると入院が必要となることもあるため、からだの病気と同様に早めの発見、早めの治療が重要とされています。
うつ病と同じ気分障害の病気として双極性障害や月経前気分障害(PMDD)があります。
うつ病として治療している方の20%は双極性障害へと診断変更されており、精神科の専門医でも見分け方が難しいこともあります。
うつ病にみられる身体の症状
- 食欲がない
- 眠れない、寝すぎる
- 性欲がわかない
- 疲れやすい、倦怠感
- 動悸
- 胃の不快感、便秘、下痢
- めまい
- 肩こり、頭痛
うつ病にみられる精神的な症状
- 表情が暗い
- 不安で落ち着かない、ソワソワしている
- 集中力がなく、
- 理由はないが涙が出る
- 元気な時は楽しかったことが楽しめない
- 自分を責める、ネガティブな考え
治療
まずは精神科医の診察を受け、困っている症状が患者自身の怠慢によるものでなく、うつ病によるものであると診断を受けることが大切です。
支持的精神療法といわれる精神療法をベースとして、状況に応じて認知行動療法や対人関係療法などのカウンセリングを併用することもあります。
軽症の場合は仕事を続けながら治療を始める場合もありますが、基本的には十分な療養期間を設け、抗うつ薬を主体とした薬物療法によって崩れてしまった脳内の神経伝達物質のバランスを整えていきます。