メニュー

広場恐怖症

広場恐怖症とは

広場恐怖症とは、体の不調や不快感が強まったときに身動きの取れない場所にいることや、手助けをしてくれる人がいない場面への強い不安を生じる病気です。

このページでは、広場恐怖症の症状や特徴、治療方法などについて解説します。

 

 

広場恐怖症の症状

逃げ出せない場所や助けを求められない場面を避けようとして、人込みに近づかない、電車に乗れない、レジに並ぶことができない、人の運転する自動車に乗れない、などの症状が現れ、社会生活に支障をきたすことがあり、重症の場合にはほとんど家から出られなくなることもあります。

 

また、身動きの取れない状況下では動悸、息苦しさ、腹痛、吐き気、冷や汗など様々な身体の症状や死の恐怖を伴う強い不安感が現れるパニック発作を伴う場合もあり、身動きの取れない状況でこれらの症状を起こしたことがきっかけとなる場合が多いです。

 

広場恐怖症の原因

広場恐怖症は、一生のうちに2-6%の人がこの症状に悩まされると言われおり、心療内科では比較的診療する機会の多い病気です。
広場恐怖症は特定の人に限定される病気ではなく、誰にでも発症する可能性があります。しかし、その発症リスクを高める要因がいくつか挙げられます。

一般的に若年者、20代~30代に多く見られ、20代で初めて発症することが多く、統計的には、男性よりも女性の方が広場恐怖症を発症しやすい傾向にあります。
血縁の方に広場恐怖症やほかの不安障害の方がいらっしゃる場合は、発症する可能性が高くなるという、遺伝的要因も否定できません。

また、生活の変化やストレスのかかる事があった場合に、発症リスクが高まる可能性が指摘されています。これには、大きな人生の変化(結婚、離婚、出産、親しい人との死別など)や、職場や学校でのストレス、または身体的健康の問題などが含まれます。

これらは、発症リスクを高める要因の一部であり、広場恐怖症を発症する決定的な原因ではありません。

 

広場恐怖症に似た病気

広場恐怖症と似たような病気には以下のものがありますが、それぞれには独自の特徴と症状があります。

パニック障害

広場恐怖症とよく混同されることがありますが、パニック障害は突然の恐怖や不安感を引き起こす「パニック発作」が特徴です。これらの発作はしばしば突然発生し、具体的な恐怖の対象が存在しない場合でも起こることがあります。

一方、広場恐怖症では恐怖は特定の状況や場所(公共の場所、広い空間など)に特化しています。

パニック障害についてはこちらに詳しく記載しています)

社交不安障害

他者との交流や公共の場に対する過度の不安や恐怖が特徴です。広場恐怖症とは異なり、この不安はパニック発作や広場への恐怖ではなく、他人による評価や批判に対する恐怖から来るものです。

社交不安障害についてはこちらに詳しく記載しています)

 

特定の恐怖症

これは特定の場所、モノ、状況(例えば、高所、昆虫、天気など)に対する過度の恐怖や不安を特徴とします。広場恐怖症とは異なり、特定の恐怖症はその対象や状況に対する恐怖が中心となります。

 

これらの障害は、その症状や影響の程度、治療の方法などが異なりますが、全てが不安障害の一部であり、適切な治療とケアによって管理可能であることは共通しています。

 

広場恐怖症の治療

広場恐怖症の治療は個々の症状、程度、および患者の全体的な健康状態により異なります。一般的に、治療は心理療法(特に認知行動療法)および薬物療法の組み合わせを用いることが多いです。さらに、セルフケアやライフスタイルの変更も重要な役割を果たします。

薬物療法

基本的にはSSRIと言われる脳の神経伝達物質を調整してくれる抗うつ薬を使用して治療を開始します。

しかしこの薬は数週~数か月飲み続けないと効果が出ないため、治療開始時には抗不安薬(ベンゾジアゼピンなど)と言われる比較的効き目の早い薬を併用する場合が多いです。

 

心理療法(認知行動療法)

心理療法の中で、広場恐怖症に対する一般的な治療法の一つは認知行動療法です。認知行動療法では、恐怖や不安を引き起こす思考パターンを特定し、これらの思考とそれに続く反応を見つけることで、それに対処する方法を学びます。薬物療法に比べて効果が出るまでに時間がかかることが多いです。

 

セルフケアや生活リズムの調整

ライフスタイルの変更やストレスをコントロールする手段を習得することも効果的です。例えば、生活リズムを整え、健康的な食事、定期的な運動、十分な睡眠を心掛けたり、アルコールやカフェインの摂取量を減らすことなどが含まれます。また、深呼吸、瞑想、ヨガなどのリラクゼーションも不安の緩和に有効です。

 

(※当院では患者さんの状態に応じて治療を実施いたします。また、全ての治療が当院で実施できるということではありません。まずは受診の上ご相談ください。)

 

広場恐怖症の治療期間

 広場恐怖症の治療期間は個々の症状、程度、治療に対する反応によって変わるため、一概に言うことはできません。数ヶ月から1年程度の治療で大幅に改善する方もいらっしゃれば、長期間に渡って治療を必要とする方がいることも事実です。

治療をする中で重要なことは、症状が改善するまでに時間が掛かることもあると理解し、適切な治療を継続することです。

 

広場恐怖症は、適切な治療を行うことで症状が落ち着き、生活の質を大幅に向上させることができます。大切なことは、広場恐怖症の症状が出現していると思われる場合は、すぐに医療機関へ相談することです。医師による適切な診断と治療計画を立てることで、恐怖や不安は和らぎ、日常生活を取り戻す道筋が見えてきます。

アクセス

180-0006
東京都武蔵野市中町2-15-13 

JR中央線・総武線三鷹駅北口徒歩7分
関東バス・西武バス・横河入口下車徒歩6分
無料駐車場5台あり

診療時間
9:30~13:30
15:00〜17:30
△9:30~13:00、14:00~16:00

休診日 日曜日、祝日

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME