老年期うつ病
本ページでは老年期うつ病について解説をしていきます。
老年期うつ病の要点は以下の4点になります。
老年期うつ病の特徴
認知症と間違えられやすい
うつ病は若年の方から高齢者まで様々な年齢で発症の可能性があります。若い人のうつ病では抑うつ気分とよばれる気分の落ち込みが訴えられることが多いですが、高齢者のうつ病では気分の落ち込みを自覚できていないことも多く、物忘れや集中力の低下、意欲の低下などによって家事や炊事や身の回りのことができなくなることが特徴的です。このため、家族から見ると「認知症が始まったのではないか」と感じられることが多く、仮性認知症とも呼ばれていて、認知症を疑って受診する方の5人に1人は老年期うつ病であるとも言われています。
心気的な不安症状が特徴的
心気的な不安症状(心気症)とは自分が何かしら重篤な病気にかかっているのではないかと思い込み、強い不安を生じることです。「便が出ない」「胃の調子が悪い」など身体の症状を訴えて内科や外科を受診しますが症状の原因ははっきりせず、症状に対して薬物療法を受けても効果が得られません。老年期うつ病での心気の程度はまちまちで、「便秘が気になる」程度の軽い不安で済むこともあれば、「がんを患っているから死ぬに違いない」といった妄想に発展するケースもあります。本人はこころの病気とは全く思わないため、精神科治療につながりづらく治療が遅れてしまうこともあります。
よくみられる心気症状
- 便秘
- しびれ
- ふらつき
- 頭が重い
- 肩、腰、足などの痛み
- 耳鳴り
大きなライフイベントの後に発症しやすい
これはうつ病全般的に言われることですが、大きな身の回りの環境の変化の後に発症することが多いです。老年期によくあるライフイベントとしては以下のことがあげられます。
- 定年退職、失職した
- 配偶者、友人との死別
- 子供の独立
- 自身や配偶者の病気やケガ
- 住み慣れた街や自宅の引っ越し
- こういった身の回りの環境の変化
- ペットが亡くなった
- 子や親せきとの関係がこじれた
上記のような環境の変化(喪失体験)のあとに認知症のような症状や、原因不明の身体症状を頻繁に訴えるようになった場合は老年期うつ病かもしれません。
早期治療により改善が見込める
老年期うつ病は早めに診断し、十分な休養と正しい薬物療法により治療が可能な病気です。まずは患者さん自身がこころの病であることを認め、療養を受け入れることが大切です。そのうえで薬物治療としてSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)と呼ばれる副作用の比較的少ない抗うつ薬を主体とした治療を行い、症状に合わせて睡眠薬や抗不安薬を使用します。
治療開始まで時間がかかると、治療に難渋したり、そのまま認知症に移行してしまうケースも見られますので、早めの精神科専門医の診療を受けることをおすすめいたします。
認知症に関する解説もご用意しております。こちらも併せてご覧ください。
・認知症(アルツハイマー病など)
・認知症の症状
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