メニュー

強迫性障害

強迫性障害(強迫症)は自分では不合理でバカバカしいことだとわかっていても、特定の事柄や言葉が頭から離れない、わかっていながらも同じ行為を何度も繰り返すなどして日常生活に影響が出てきます。
自分の意思に反して頭に浮かんでしまい払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をせずにはいられないことを強迫行為といいます。
たとえば、火の元や戸締りを何度も確認せずにはいられない、汚れがとれていないと思い過剰に手を洗うなどがあります。

疫学研究では強迫性障害の生涯有病率は2~3%と推定されています。10代~20代で発症することが多いとされていますが、35歳以降の発症も15%あるとされ、幅広い年齢の方が強迫症状に悩まされています。
強迫性障害の方はほかの精神疾患に罹患することも多く、強迫症患者におけるうつ病の生涯有病率は67%で、社交不安症の生涯有病率は25%、20~30%にチックの既往があるとされています。

代表的な強迫観念と強迫行為

不潔恐怖と洗浄

汚れや細菌汚染の恐怖から過剰に手洗い、入浴、洗濯をくりかえす、ドアノブや手すりなど不潔だと感じるものを恐れて、さわれない。

加害恐怖

誰かに危害を加えたかもしれないという不安がこころを離れず、新聞やテレビに事件・事故として出ていないか確認したり、警察や周囲の人に確認したりする。

確認行為

戸締まり、ガス栓、電気器具のスイッチを過剰に確認する(何度も確認する、じっと見張る、指差し確認する、手でさわって確認するなど)。

儀式行為

自分の決めた手順でものごとを行わないと、恐ろしいことが起きるという不安から、どんなときも同じ方法で仕事や家事をしなくてはならない。

数字へのこだわり

不吉な数字・幸運な数字に、縁起をかつぐというレベルを超えてこだわる。

物の配置、対称性などへのこだわり

物の配置に一定のこだわりがあり、必ずそうなっていないと不安になる。

上記のような行為や考えをやめようと思ってもやめられず患者さん自身が苦痛に感じていて、さらには日常生活や社会生活に支障をきたしていたり、家族を巻き込んだ問題となっている場合は強迫性障害かもしれません。

強迫性障害の原因は明確なものは分かっていませんが、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質を増やす薬を服用すると症状が改善することから、脳内のセロトニンの調節の問題であるとする仮説があります。
また、近親者に強迫症の傾向を持つ人物がいる場合はそうでない人と比べて発症率が3~5倍多いことや二卵性双生児より一卵性双生児の方が症状の一致率が高いことなどから遺伝的な要因も指摘されています。

強迫性障害の治療法

強迫性障害の治療には、薬物療法と「曝露反応妨害法」と呼ばれる行動療法を組み合わせると効果的だと言われており、当院では精神科専門医による薬物療法を主体として、行動療法的なアドバイスも併せて行います。

薬物療法としては強迫症状に伴った不安に対して、SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)によって脳のセロトニンという神経伝達物質を増やす治療をしてあげることで、強迫症状の軽減を目指します。うつ病よりも高容量で長期間の服薬が必要とされ、最初は少量から始め、強い副作用などが出ないことを確認しながら薬を増量して強迫症状や不安を取り除いていきます。

「曝露反応妨害法」は、強迫観念による不安に立ち向かい、やらずにはいられない強迫行為を我慢するという行動療法です。
たとえば不潔だと思うものに触れて手を洗わずに我慢することや、鍵をかけたかどうかの確認をせずに我慢して外出することなどです。
不安の強い患者さんにとっては苦痛を伴う治療でありますが、このような課題を続けることで不安が弱まり、強迫行為も減っていきます。

強迫性障害の患者さんは薬物療法では服薬量の多さを不安に感じやすく、苦痛を伴う行動療法にも嫌気がさして治療をドロップアウトしてしまうこともしばしば見受けられます。
患者さん自身が「治療したい」という目標を強く持つことで、服薬と行動療法の継続につながり、結果として治療効果が高まります。
治療の苦痛や不安な気持ち、困っている症状については医師と相談をしながら、治療へのモチベーションを高め治療を継続していきましょう。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME